毎年歴史的な勢力と予想される台風が相次いで出てきています。
台風の進路予想や現在の位置などを確認するときに便利なのが、「米軍」「ヨーロッパ」「Windy」といった海外の情報です。
日本の報道は基本的には気象庁のデータを基にしていることが多く、海外の情報も知ることでさまざまな備えが可能になります。
とは言え、海外の情報だけに見方が難しい。
ということで、こちらでは、「米軍」「ヨーロッパ」「Windy」の情報の見方や使い方、公式サイトのURLなどまとめていきます!
目次
米軍・ヨーロッパ・Windy(ウィンディー)とは?
ヤフー検索などで台風情報を調べていると、「米軍・ヨーロッパ・Windy(ウィンディー)」というキーワードをよく目にします。
このキーワードが上がってきているからには、よく検索されているキーワードであるのですが、前知識なく初めて見ると何の目的で見ているのか分かりにくいと思います。
なぜ「米軍・ヨーロッパ・Windy」は検索されているのか?また台風における「米軍・ヨーロッパ・Windy」とはどんな意味なのかをまずまとめます。
「台風 米軍」とは、米軍の合同台風警報センターJTWCの進路予想のこと
「台風 米軍」と検索する人は、米軍の台風情報が見たいということになりますが、米軍の台風情報とは、「米軍合同台風警報センター(JTWC)」が発表している台風の発生状況と進路予想の情報を指しています。
・熱帯低気圧を偵察するとともに予報や警報を発しているアメリカ国防総省の機関
・JTWC=Joint Taihoon Warning Center
シンプルに分かりやすく言うと、アメリカ政府が発表している台風情報ということですね。
ツアー会社や観光ガイドの業界においては、「米軍はどう?」「いつ台風来そうかな?」というように、わりと一般的な情報としてチェックしています。
なぜ、日本における気象庁の発表だけではなくて、米軍の情報も見たいかと言うと、進路予想が違う場合があるからです。
「台風 ヨーロッパ」とは、ヨーロッパ中期予報センター(ECMWF)の進路予想のこと
「台風 ヨーロッパ」と検索する理由は、「ヨーロッパ中期予報センター(ECMWF)が発表している台風情報を見たい!」ということになります。
「ヨーロッパ中期予報センター(ECMWF)」の特徴は、「10日先まで進路予想図」が発表されいる為、長期的な予想を確認したいときに有効です。
・イギリスにある1975年に設立された国際組織。
・中期気象予報を作成し、加盟国に配信すること、またその手法の開発・向上の研究をしている期間。
・ECMWF=European Centre for Medium-Range Weather Forecasts
「台風 Windy」とは、Windyのリアルタイム台風位置情報のこと
「台風 Windy」は、もちろんWindyの情報が見たいということになりますが、Windyでは、何の情報を提供しているのかというと、リアルタイムの台風の位置情報です。
「今、台風はどこにあるの?」という最新の位置情報を知りたい時に便利です。
・Windyは、チェコの民間企業「ウィンディ ドットコム(Windy. com)」が運営。
・リアルタイム天気予報サービスを世界中に提供している。
・気象データは、公的機関の公表データを基に作成されている。具体的には、「アメリカ国立気象局(NWS)、ヨーロッパ中期予報センター(ECMWF)、メテオブルー(Meteoblue)のデータに基づく。
※メテオブルーは、スイスのバーゼル大学とアメリカ海洋大気庁(NOAA)、アメリカ国立環境予報センターの共同設立による民間企業。
Windyはアプリも無料で配信されていますので、非常に便利です。
Windy.com
Windyty, SE無料posted withアプリーチ
アプリを立ち上げると次のような画面になります。直感的な操作が可能ですし、ぱっと見で台風が今どこにあるのか分かるので非常に便利です。
この画像の左上にあるのが、台風9号(メイサーク)、右下にあるのが台風10号(ハイシェン)です。
スクショの日時は、2020年9月2日19時01分の情報です。
米軍合同台風警報センター(JTWC)の見方!!
最新情報をチェックする為にも、自分で見る方法が分かれば便利ですよね。
米軍合同台風警報センター(JTWC)の見方を解説します!
公式ページ:米軍合同台風警報センター(JTWC)
公式ページを確認すると次のようなページになります。
地図の上に、黄色、赤色などの文字があります。その文字の色ついては、画像の下の部分のLOW,MEDIUMなどによります。
【LOW】24時間以内に台風に発達する可能性は低い
【MEDIUM】台風に発達する可能性はあるが24時間以上かかる
【HIGH】24時間以内に台風に発達すると思われる
【赤色矢印】台風となったことを示す
【SUB TROPICAL】熱帯低気圧と温帯低気圧の中間的な性質
という意味で読み取れます。
上の図の場合だと、台風10号(MAYSAK)と台風11号(HAISEAN)が台風発生となっていて、台風の発生可能性のないエリアもあるというのが読み取れます。
ちなみに、メイサークは、日本の報道では、台風9号。ハイシェンは台風10号です。なんで違いがあるかと言うと、認定が国ごとになている為に、台風の番号がずれることがあります。
ただし、同じ台風なのに国によって名前が違うと分かりにくいので、国際機関の台風委員会により命名されます。
そのため、番号は違っても、「メイサーク」、「ハイシェン」と言った名前は共通となります。
台風の進路予想を見るには、右側の英字の方をチェックします。
例えば、メイサークの進路予想図を見たい場合は、右側の「Typhoon 10W (Maysak) Warning 」のところの「TC Warning Graphic」を見ると進路予想図が確認できます。
そして出てくるのが次のような台風の進路予想図です。
一般的に、米軍の台風の進路予想図と言えばこの予想図のことを指します。
では、この進路予想図の見方をみていきましょう。
見るポイントは、台風の中心から線を引っ張って出ている数字と記号。
例えば、韓国と北朝鮮の間ぐらいの位置を示しているところには、「03/00Z、70KTS」とあります。
それぞれ分解して読み方をまとめます。
「03/00Z、70KTS」
03・・・3日
00・・・0時
Z・・・協定世界時の本初子午線を0時とする基準で表記してるという意味。+9時間で日本時間。
70KTS・・・速度の表記。1KTS=ノット(約0.514m/s)。
上記のことから、「03/00Z、70KTS」を読むと、日本時間の3日08時にこの位置にあり、秒速35.98m(時速129km)で進んでいる予想と読めます。
KTSとは風速を表すノットのこと。
日本では風速はm/s(メートル毎秒)という単位で表します。
ノットを2で割るとほぼ、メートル毎秒になります。(厳密には、1kt = 1.852km/h = 0.5144m/s)
つまり、30KTS→15m/sとなります。
ヨーロッパ中期予報センター(ECMWF)の進路予想図の見方!!
次に、ヨーロッパ中期予報センター(ECMWF)の進路予想図の見方をまとめていきます!
公式ページを見ると、次のような画面が出ています。
天気予想図の見方ですが、上の四角で囲った部分は、プルダウンになっていて、「基準日」「天気図のエリア」の2つを選択できます。
ヨーロッパ中期予報センター(ECMWF)はその名のとおり10日間にわたる長い期間が表示されていることが特徴ですので、基準日から10日間分の予想天気図が見られます。
下の枠のところが基準日から10日の天気図となります。
日にちをクリックしても動きますし、右側の再生ボタンをおすと10日間分の画像が動きます。
ヨーロッパ中期予報センターの図は、天気図に風速を加えている図になります。風速が色で表記されていますので、天気図が読めなくても直感的に理解することができますよね。
ヨーロッパ中期予報センター(ECMWF)の天気図の時間!12UTCは日本時間で何時?
天気図を見ると、時間の表記が、「0UTC]「12UTC」と書かれています。
この時間は日本時間にすると何時なのかまとめておきます!
0UTC = 9:00
12UTC = 21:00
UTC=協定世界時
Windyの見方と使い方!
Windyの見方や使い方についてまとめていきます。
公式ページ:Windy
公式ページに入ると次のような画面になります。
最初の画面は風の状況が分かるものですので、直感的に台風の位置や強さなど把握できると思います。
そして、特筆すべきは、赤字で記載しましたが、この天気予想図は、ヨーロッパ中期予報センター(ECMWF)のデータをWindyが使いやすくまとめている点です。
しかも前述のようにアプリもあります。
下のところには、10日分の日にちがあり、ヨーロッパ中期予報センター(ECMWF)の10日分の台風の進路予想図は見ることができます。
さらに、右側のアイコンでは、最初は風の状況の表記ですが、衛生からの雲の状況、気象データ、雨、雷、さらには気温まで選択できます。
台風の話しでWindyが取り上げられることが多いので、風の表記がメインですが、実際は日常的に天気予報としてアプリを利用するのがかなり便利なのではないかと思うわけです。
下記がWindyの画面ですが、さわることができますので、適当に触ってみてください。すぐに便利さに気づけるはずです。
台風14号(チャンホン)の気象庁・米軍・ヨーロッパ・Windyの進路予想!
以下は過去の台風の進路予想です。
米軍合同台風警報センター(JTWC)、ヨーロッパの中期予報センターの進路予想図、Windyなど見方と使い方の参考によろしければどうぞ!
2020年の台風14号(チャンホン)の進路予想図をチェックしていきます!
米国、ヨーロッパ、Windyの順にまとめていきます!
2020年台風14号(チャンホン)の米軍合同台風警報センター(JTWC)の進路予想図
西日本に上陸しそうとしつつも、進路が2020年10月5日現在まだ定まっていないという台風14号(チャンホン)。
進路が定まらないというのは、米軍、ヨーロッパ、気象庁が違う見解を見せているということです。
それぞれが、どんな進路予想図となっているのかまとめていきます!
まずは、米軍合同台風警報センター(JTWC)の進路予想を確認していきます。
2020年10月5日現在の情報です。
まずは、米軍の台風情報を見ていきましょう。
進路予想は次のとおりです。
米軍の進路予想図を見ると、このまま鹿児島に上陸しそうな軌道になっていますが、今後の予想でどうなるかがポイントになりそうですね。
2020年10月7日の時点での米軍の台風の進路予想図です。
台風14号は速度が遅いと言われていますが、図を見ると詰まっていますので、速度の様子が見て取れますね。
では、長期予想を発表しているヨーロッパの中期予報センターの進路予想図がこの後どうなっているか見ていきます。
2020年台風14号(チャンホン)のヨーロッパ中期予報センター(ECMWF)の進路予想図
続いて、台風14号(チャンホン)のヨーロッパ中期予報センター(ECMWF)の進路予想図を見ていきます。
鹿児島から日本列島にそって、西日本に接近して南に折れて消滅するようなルート予想となっています。
2020年台風14号(チャンホン)のWindyの最新進路予想図
続いて、Windyで台風14号(チャンホン)の様子を見てみます。
こちらはヨーロッパの進路をもとにしていますが進路予想が見やすいですね。
中心は上陸せずに日本列島に沿って西へ流れていくルートです。
2020年台風14号(チャンホン)の気象庁の進路予想図
2020年10月5日時点での気象庁発表の台風14号(チャンホン)の進路予想図はこちらです。
2020年10月7日の時点の気象庁発表の台風14号の進路予想図です!
勢力に関しての予想はこちら!
中心気圧 980 hPa
最大風速 30 m/s (中心付近)
最大瞬間風速 40 m/s
現時点でも、進路がまだ変わる可能性が高いということで影響が出る可能性がある範囲を示す予想円が大きくなっているようです。
引き続き週末に向けて天気予報の動きをチェックしていきたいですねっ!
2020年台風12号(ドルフィン)の気象庁・米軍・ヨーロッパ・Windyの進路予想!
2020年の台風12号(ドルフィン)の進路予想図をチェックしていきます!
米国、ヨーロッパ、Windyの順にまとめていきます!
2020年台風12号(ドルフィン)の米軍合同台風警報センター(JTWC)の進路予想図
台風の進路が日本列島を直撃こそしないものの大雨が警戒されている台風12号(ドルフィン)。
まずは、米軍合同台風警報センター(JTWC)の進路予想を確認していきます。
2020年9月24日12時現在の情報です。
まずは、米軍の台風情報を見ていきましょう。
進路予想は次のとおりです。
時間の見方は、【24/12Z】などの表記は、【24日12時】を指しますが、Zは協定世界時でという意味ですので、日本時間に直す場合は、+9時間をすればOKです。
【24/12Z】を日本時間にすると、24日21時ということになります。
そして、KTSとは風速を表すノットのこと。
日本では風速はm/s(メートル毎秒)という単位で表します。
ノットを2で割るとメートル毎秒になります。(厳密には、1kt = 1.852km/h = 0.5144m/s)
つまり、30KTS→15m/sとなります。
2020年台風12号(ドルフィン)のヨーロッパ中期予報センター(ECMWF)の進路予想図
続いて、台風12号(ドルフィン)のヨーロッパ中期予報センター(ECMWF)の進路予想図を見ていきます。
日本時間9月24日(木)21時の台風12号(ドルフィン)の予想図です。
緑の色が濃ければ濃いほど勢力が強くなります。25日になると東北から北海道にかけて、勢力が強くなる見込みです。
日本時間9月25日(金)21時の台風12号(ドルフィン)のヨーロッパの予想図です。
2020年台風12号(ドルフィン)のWindyの最新進路予想図
続いて、Windyで台風12号(ドルフィン)の様子を見てみます。
9月24日21時の風の様子がこちら。
25日の様子はこちら。
色が濃いほど風が強くなっているのが読み取れます。
2020年台風10号(ハイシェン)の気象庁・米軍・ヨーロッパ・Windyの最新の進路予想!
2020年の台風10号の進路予想図をチェックしていきます!
米国、ヨーロッパ、Windyの順にまとめていきます!
2020年台風10号(ハイシェン)の米軍合同台風警報センター(JTWC)の進路予想図
台風9号が去ったばかりですが、間髪いれずに台風10号(ハイシェン)も似た軌道で進む予想です。
まずは、米軍合同台風警報センター(JTWC)の進路予想を確認していきます。
日本時間の9月3日の朝の状況です。
これに対して、台風10号(ハイシェン)の進路予想図を確認します。
台風9号と似た進路予想図となっているのが嫌ですね。緩んだ地盤面の土砂崩れなど警戒したいところです。
2020年台風10号(ハイシェン)のヨーロッパ中期予報センター(ECMWF)の進路予想図
続いて、台風10号(ハイシェン)のヨーロッパ中期予報センター(ECMWF)の進路予想図を見ていきます。
Thursday 3 Sep, 12 UTC(日本時間9月3日(木)21時)の台風10号(ハイシェン)の予想図です。
そして、徐々に近づいてきて、沖縄に接近するのが9/5(土)の予想ですね。以下5日から1日ごとの予想進路図を見ていきます。
(Saturday 5 Sep, 12 UTC)
(Sunday 6 Sep, 12 UTC)
(Monday 7 Sep, 12 UTC)
(Tuesday 8 Sep, 12 UTC)
2020年台風10号(ハイシェン)のWindyの最新進路予想図
続いて、Windyで台風10号(ハイシェン)の様子を見てみます。
ヨーロッパ中期予報センター(ECMWF)の予想図をグラフィックで見ているイメージですね。
上記で表示しているのは風の様子です。日にちを移動することで、進路も確認できますよ。
Windyは、今の台風の位置も分かりますし、今を基準とした最新の台風の進路予想図も見ることができます。
台風10号は、特別警報級に発展する予想となっています。出来うる限りの備えをしておきたいですね。
2020年台風15号(リンファ)のたまごの発生状況!【2020年9月24日現在】
2020年10月5日、台風15号(リンファ)のたまごの発生状況は確認ができません。
もしも、たまごが発生していたとしたら、さきほどの米軍の情報に上がってきますが特に記載がなく、windyの予想を見ても、風が渦巻く様子は見受けられず、台風13号のたまごの発生は確認できません。
具体的な見方としては、米軍の地図の黄色およびオレンジの赤丸がないこと。windyでは台風になりそうな風の動きが確認されないことによります。
まとめ
以上、台風情報に関して、米軍、ヨーロッパ、Windyの見方や使い方の説明と、台風14号(チャンホン)、台風12号(ドルフィン)、台風10号(ハイシェン)、台風15号(リンファ)のたまごの発生状況についてまとめました。
日常的に、「米軍合同台風警報センター(JTWC)」「ヨーロッパ中期予報センター(ECMWF)」「Windy」の情報を活用されている方は良いですが、はじめてチェックしたという方は、今後活用されてみてはいかがでしょうか。
パッと見難しそうな図ばかりですが、一回見方を覚えてしまうと、知りたいと思う細かい台風情報も自分でチェックできるようになりますのでおすすめです。
台風9号、台風10号の時は、日本を抜けて韓国に直撃のルートをたどっていましたので、韓国の状況も気になりました。
韓国の反応やライブでの報道局、ライブカメラの動画など下記コンテンツにまとめましたので、あわせてどうぞ!